禅の発想へ戻る
【死 ぬ】(楽々北隠)



北隠和尚、侍者の尼僧に言う。
  「長いこと厄介をかけたがもう今年のお盆あたりにはお暇しようか」

尼僧「隠居さん、死ぬんですか?」

和尚「そうじゃ」

尼僧「それなら忙しいお盆なんかに逝かれちゃ困ります、みんな難儀します。」

和尚「そうか。 そんならいっそ今日にしようか。」

尼僧「それは急すぎます。」

和尚「では明日にしよう。」

こんな会話、尼僧は本気にしてはいない。ところが北隠和尚はすっかり本気。
「明日正午、お暇致し候に付き、御見届け下されたし、云々・・・」と旧友知己に知らせてしまう。
当日、和尚は身を清め木綿の白衣に麻の涅槃衣で端坐し、
太閤記の浄瑠璃を吟じているうちに静かになる。

尼僧「隠居さん!隠居さん!」

和尚・・・・   端坐したまま大往生


「世の中は喰うて稼いで寝て起きて、さてその後は死ぬるばかりぞ」一休



禅の発想へ戻る  洋彰庵本舗:謹製2001-03/20