「起きて半畳、寝て一畳」という言葉がある。
どんなに立派な御殿のような家に住んでみても
人間ひとりが占拠する場所は、せいぜい半畳
から一畳程度のものだ。 ということ。
禅の美意識はこの格言に集約されているかも知れない。
足りる分だけの、衣・食・住の生活は、一切の無駄を
省き、むさぼる私慾を排除することにあるのだろう。
この精神を見いだすことの出来る日本文化として、
禅寺の庭、お茶の道、生け花、はたまた日本の技芸道
に至るまで脈々と受け継がれていると感じる、この頃。
禅の道、禅のこころ それは禅寺の中のみに
存在するのではなくて 我々の日々の生活、
我が身近にこそ禅の教えがあるのだ。