仏教は紀元前五百年頃インドで釈尊によって開かれた。
当時の僧侶達は、修行や説法に専念し、食事は托鉢
をして、信者たちから頂いた物を食べていた。食事
に関する戒律は厳しくなく、肉も布施された物ならば
条件付きで許されていた。
僧侶自ら料理をすることがなく、インドでは精進料理は
発展しなかったが、中国大陸を始めアジア全域に仏教は
広まって行き、アジア大陸北方(中国)に伝わった仏教
は、中国の固有の思想(儒教等)や、独特の生活文化の
影響を受け、新しい展開(多くの宗派が誕生)が起る。
インドの達磨大師が中国に伝えた禅宗は、坐禅修行を
中心に真実の自己に目覚め、正しく生きることを 基本
とし、教典中心の論理的修行よりも、自らの実践修行に
重点を置いた。 多くの修行者が集まり、托鉢だけでは
修行僧の食事が賄えなくなり、禅寺では、僧が畑や田を
耕すことになった。今までは雑用として考えられていた
掃除や洗濯、炊事なども読経や坐禅と同じような感覚で
重要な修行の一つである。とも考えるようになった。
八世紀頃には百丈懐海禅師 (ひゃくじょうえかい)が
初めて禅宗の規則を定めた。その規則では、睡眠、食事、
清掃など【 あらゆる行為が仏行である 】とされた。
禅は不立文字(文字では表現不可)以心伝心・経外別伝
(お教などの言葉でも伝えられない)深い世界だ。
野狐禅の洋彰庵 ひるんではいけない。 典座教訓へ続く